サブリミナル効果は嘘だった!?今なお禁止され続ける意味とは?

サブリミナル効果

あなたは、ブラッド・ピット主演の『ファイトクラブ』という映画をご存知ですか?

なかなかに暴力的な描写が多いことで話題になった映画ですが、その衝撃的なラストシーンが特に有名です。

そのラストシーンとは、 なんと男性器(おそらくはブラピの)が一瞬だけ映り込んでいるというものです。

そんな映画、あまり聞いたことありませんよね。

実はファイトクラブは、サブリミナル効果という心理テクニックを積極的に取り入れていることでも一部で有名です。

ラストシーンの演出も、サブリミナル効果を狙ったものだと言われています。

それでは、サブリミナル効果とは一体どのようなものなのでしょうか?

早速見ていきましょう。

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サブリミナル効果とは?

 サブリミナル効果とは、 無意識下(潜在意識)に刺激を与えることで表れる効果のことです。

もともと英語のSubliminalは、日本語で「意識下」を意味します。

日本では、サブリミナル効果を大手放送局がTV番組内で不適切に使用したということで一時期問題になりました。

そして日本国内では1999年にサブリミナル効果を狙った映像を放送することが全面禁止にされるに至ります。

こんなことを言うと、『法律で禁止されているなんて、そんなにサブリミナル効果は危険な影響があるのか・・・』とあなたも思われるかもしれません。

ただし、このサブリミナル効果については、案外危険なものでは無さそうなのです。

なぜなら現在サブリミナル効果は、科学的な根拠に乏しく、いわゆる”エセ科学”であるという見解が一般的だからです。

しかし、サブリミナル効果に信ぴょう性がないというならば、なぜ、いまだに日本においてサブリミナル映像が禁止されているのでしょうか?

なんだか、つじつまが合わない気がしますよね。

その疑問の答えは、サブリミナル効果の歴史を見ていくことである程度明らかになってきます。

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有名なサブリミナル効果の実験

1957年、アメリカの市場調査業者のジェームズ・ヴィカリが、以下のような実験結果を発表しました

 

上映中の映画のスクリーンに、「コーラを飲もう」「ポップコーンを食べよう」というメッセージを書いたコマを繰り返し二重映写して、映画館でのコーラやポップコーンの売り上げへの影響を調べる実験を行ったところ、

コーラについては、18.1%

ポップコーンについては、57.5%

の売り上げの増加が認められた。

wikipediaより

 

この実験によってサブリミナル効果は広く認知されることとなりました。

しかし、実験結果の論文が発表されなかったこと再実験では効果が証明されなかったことなど、実験の結果について、不審な点が次々に明らかになります。

当初、ヴィカリはサブリミナル効果の発表によって、世間から注目と称賛を浴びることを期待していたようですが・・・

現実には「もしかしたら洗脳されるのかもしれない」という人々の恐怖心や反感を買ってしまうという、なんとも残念な結果を引き起こしてしまいました。

そしてついに1962年、ヴィカリ本人がサブリミナル効果の実験はねつ造であったことを認めるに至るのでした・・・

 

サブリミナル広告は今なお各国で禁止されている

ところが意外なことが起こります。

ヴィカリがサブリミナル効果のねつ造を認めたにも関わらず、世間の人々のサブリミナル効果に対する不安は消えなかったのです。

そして、むしろ疑いの目が強くなってしまったのでした。

ヴィカリ騒動を受け、イギリスでは1957年以降、サブリミナル的な表現を使用することは現在でも禁止されています。

また、アメリカとカナダでも1970年代にサブリミナル効果を狙ったCMが話題に上がり、再び問題視されることになります。

そして、とうとうアメリカ・カナダでもサブリミナル的な表現の使用は禁止されることとなったのでした。

 

なぜ、サブリミナル効果は禁止され続けているのか?

その効果が証明されていないにも関わらず、今なお、サブリミナル効果を用いた表現は各国で禁止されています。

その理由としては以下の3つが考えられます。

 

1.洗脳されることへの恐怖が想像以上に強かった

 

サブリミナル効果が広く知られるようになった、1950年代は東西冷戦の真っただ中でした。

民主主義と共産主義とが敵対し、今よりも、社会情勢は混とんとしていたことでしょう。

そんな状況で、「TVや新聞などを通じて、洗脳されるかもしれない」という恐怖を世間の人は体験してしまったわけです。

ヴィカリの実験はねつ造だったから安心、という風に安易に世間は考えを変えられなかったのだと思います。

そこには、大きな権力が大衆を意のままに操作しようとしていると考える、いわゆる陰謀論的なものも含まれるのかもしれません。

 

2.消費者の意思を操作しようとする悪質な行為である

 

サブリミナル的表現は、消費者の無意識に命令を刷り込んで、意思を操作しようと試みます。

ただ、広告の影響を調査したある研究によると『意識的に処理した広告の行動への影響力は、無意識下で処理したものの10倍に及ぶ』ことがわかっているそうです。

つまり、広告において、サブリミナル効果が仮に存在したとしても、その影響力はそこまで大きなものではない、と言えそうです。

しかし、その効果うんぬんよりも

サブリミナル効果=消費者を秘密裏に操作する悪質な行為

という懸念が非常に強いため、いまだに禁止されているのだと考えられます。

 

3.限られた条件下だと効果があるケースも

 

サブリミナル効果の研究は、現在でも続いています。

2006年にユトレヒト大学の研究チームによって、「極めて限定的な環境ではサブリミナル効果が確認された」と発表されました。

ただ、この研究はあくまで実験室の中での話であって、その後に行われた別の研究で公共の場において検証したところ、特に効果は見られなかったそうです。

しかし、完全にその効果が否定されたわけではないとも言えることから、いまだに、サブリミナル効果は多くの人にとって、不気味な存在であり続けていると考えられます。

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まとめ

サブリミナル効果は、長年研究を重ねられた今でさえ、効果が確実に出る手法が確立されてはいません。

また、サブリミナル的表現自体が禁止行為にあたるうえ、もしバレたら世間から強い反感を買う恐れすらあります。

冒頭のファイトクラブのラストシーンも、それが話題になってしまった時点で、無意識下へ刺激を与えることには失敗をしているような気がしますしね…。
思いっきり意識させてしまっているわけなので。

やはり、広告は相手を操るのではなく、素敵な出会いを演出することを意識してきたいものですね。

【関連リンク】
あのカリスマ経営者も使っていた?人に強い印象を与えられる技法
メタファーが効果的な理由とは?その意味や例を解説!
 

参考: 1.Does subliminal advertising actually work? 2.マルク・アンドルース、マテイス・ファン・レイヴェン、リック・ファン・バーレン(2016)「人を動かす」広告デザインの心理術33(坂東 智子訳) ビー・エヌ・エヌ新社.

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